血液型キメラ











生物学における キメラ (chimera) とは、同一個体内に異なった遺伝情報を持つ細胞が混じっているような状態の個体のことをいいます。

2つ以上の受精卵(接合体)が合わさってできた個体を言い、 二卵性双生児の場合に1人で2種類の血液型(例:A型とAB型)を持っているような現象を言います。

キメラは、ギリシャ神話に登場する伝説の生物「キマイラ」に由来して名付けられました。

キメラは、ライオンの頭と山羊の胴体、蛇の尻尾を持ち、口からは火炎を吐く神話上の生物で、リュキアに住み、カーリア王アミソーダロスに育てられたが、ペガサスに乗る英雄ベレロポーンに退治された。

この怪物が生物学におけるキメラの語源となった訳です。

キメラの発現頻度は、1/700000であるといわれ、非常に稀な存在です。

しかし、キメラの人の血液型判定には非常に苦労することがあります。

実際、血液の鉄人も今までに2例のキメラを経験していますが、血液型判定には非常に困りました。

例を挙げると、血液の中の95%がA型で残りの5%がAB型だったとすると、血液検査1回目では、A型と判定され、2回目では判定保留となり、正しい血液型判定に苦慮することがあります。

このように血液での血液型判定に支障があるときは、唾液中の型物質検査で正確な血液型判定が可能となる場合もあります。

キメラの人の血液型で注意しなければならないのは、ABO式血液検査はもちろんのことですが、Rho式血液検査やその他の血液型の判定には十分注意することが必要となります。








キメラを描いた切手
神話切手
キメラの像
1971年 サンマリノ発行


英雄ベレロポーンとペガサスを描いた切手
ギリシア神話切手
英雄ベレロポーンとペガサス
1931年 ギリシア発行





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