3.梅毒検査−ラテックス凝集法−イムノティクルス オート3 RPR−
ラテックス凝集法−イムノティクルス オート3 RPR−について解説します。
ラテックス凝集法とは トレポネーマ・パリーダムの感染によって生じる脂質抗原に対する抗体を血清又は血漿からの検出する検査法です。
検査は全自動の検査機器を使用して実施するため、検査結果は定量値と得られるので眼で判定する検査に比べて精度が高くなっています。
近年全自動の検査機器を使用して行うラテックス凝集法を採用する病院が多くなってきています。
測定原理と検査試薬
ラテックス凝集比濁法を利用した光学的測定法です。
血清又は血漿中に梅毒脂質抗体が存在すると梅毒脂質抗原(カルジオリピン、レシチン、コレステロール)を表面に固定化したポリスチレンラテックスが抗原抗体反応を起こし 凝集塊を形成します。
この凝集反応による光学的変化が梅毒脂質抗体価に依存する原理にもとづき、既知抗体価の梅毒脂質抗体標準品を用いて作成した検量線から検体中の梅毒脂質抗体価を自動的に得ることが出来ます。
検査方法
各種汎用自動分析装置を使用して自動的に検査を実施することが出来ます。
判定
陽性・・・・・測定値が1.0U以上
陰性・・・・・測定値が1.0U以下
検査上の注意点
ラテックス凝集法は、感度に優れ、比較的早期から陽性になるますが、梅毒でなくても陽性となる 生物学的偽陽性反応(BFP:Biological False Positive reaction)が出現することが多いので注意が必要となります。
生物学的偽陽性反応は、肝疾患、ウイルス感染症、自己免疫疾患、妊娠などで非特異的に抗体が産生される結果、抗カルジオ リピン抗体保有者となり、梅毒に感染していないにもかかわらず陽性反応を示すことがあります。
また、梅毒等に感染していない全く健康な人でも検査のたびにラテックス凝集法が陽性となる人も存在します。
従ってSTSが陽性となっても生物学的偽陽性反応の可能性があることから、すぐに梅毒に感染しているとは言えません。
※STSが陽性となれば、必ず梅毒トレポネーマを使用したTPHA FTA-absで検査をしてから梅毒感染の判断を行う必要があります※
RPR検査を受ける時期
梅毒トレポネーマに感染すると4週程度で陽性となることから、行為から30日で受ければ信頼できる結果が得られます。
3.梅毒検査−ラテックス凝集法−イムノティクルス オート3 RPR−
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