2.梅毒検査−RPR検査−
RPR検査について解説します。
【RPR検査とは】
梅毒トレポネーマが、感染して生体の組織を破壊したときに血液中に出てくる脂質カルジオリピンに対する抗体を検出する検査法 を総称してSTS(Serologic Test for Syphilis)と呼びます。
血液中に抗体がなければ陰性となりますが、抗体があった場合には陽性と判定され、梅毒に感染している可能性あり と判定されます。
RPR検査は、Rapid Plasma Reagin Testの頭文字を取ったものです。
測定原理と検査試薬
トレポネーマ・パリーダムの感染によって生じる脂質抗原に対する抗体を血清又は血漿からの検出する検査法。
※レアギンは、しばしば急性疾患、慢性疾患者の血清又は血漿中からも検出されます※
陽性検体の場合、レアギンは抗原(カルジオライピン・レシチンをコートしたコレステロール粒子)と凝集反応を起こし、 プラスチックコートした白い反応カードの表面に黒い凝集塊が出現します
検査方法
1.付属のディスペンスターを親指と人差し指で持ち検体(血清又は血漿)を吸い上げる。
2.ディスペンスターを垂直に保ち指で圧縮し、サークル内に採取した検体1滴(約0.05ml)を滴下。
3.ディスペンスターを逆さにし、塞がっている部分で滴下した検体をサークル内いっぱいに広げる。
4.検出試薬を検体を広げたサークルの中心に1滴滴下。
5.ローテーターに恒温カバーをして、100±2rpmで8分間回転させる。
※この回転により検体と検査試薬が混ぜあわさり反応が起こる※
6.回転終了後、直ちに肉眼で判定する。
判定
陽性・・・・・大小の凝集塊が認められる
陰性・・・・・凝集塊が認められないか、炭素粒子がわずかに粗い感じがする
RPR検査の判定像
検査上の注意点
RPR検査は、感度に優れ、比較的早期から陽性になるますが、梅毒でなくても陽性となる生物学的偽陽性反応 (BFP:Biological False Positive reaction)が出現することが多いので注意が必要となります。
生物学的偽陽性反応は、肝疾患、ウイルス感染症、自己免疫疾患、妊娠などで非特異的に抗体が産生される結果、 抗カルジオリピン抗体保有者となり、梅毒に感染していないにもかかわらず陽性反応を示すことがあります。
また、全く健康な人でも検査のたびにRPRが常に陽性となる人も存在します。
従ってSTSが陽性となっても生物学的偽陽性反応の可能性があることから、すぐに梅毒に感染しているとは言えません。
※STSが陽性となれば、必ず梅毒トレポネーマを使用したTPHA FTA-absで検査をしてから梅毒感染の判断を行う必要があります※
RPR検査を受ける時期
梅毒トレポネーマに感染すると4週程度でRPR検査は陽性となることから、行為から30日で受ければ信頼できる結果が得られます。
2.梅毒検査−RPR検査−
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