近  世−1.ヴェサリウス、パレ、ハーヴェー、マルピーギ −








アンドレアス・ヴェサリウス(1514〜1564)

解剖学者で医師であり、人体解剖で最も影響力のある本、『ファブリカ(人体の構造)』を著し、「現代人体解剖の創始者」と称されています。

彼は自ら積極的に解剖を行い、自分の目で見たままの骨格・筋肉・神経・内臓等を分類して正確な透視図法による芸術的な図譜を描き上げています。




ヴェサリウス描いた切手


偉大な科学者20種シート
ベサリウスの肖像とともに
『ファブリカ』に収められた人体解剖図。

2012年 マーシャル諸島発行




ヴェサリウス描いた切手


ヴェサリウス生誕100年記念切手
ヴェサリウスの肖像と
著書『ファブリカ』に描かれた右上腕を
解剖する光景

1964年 ベルギー発行
結核予防切手
ヴェサリウスの肖像
1942年 ベルギー発行
医学者切手
ヴェサリウスの肖像と手の解剖図
1985年 トランスカイ発行
医学の先駆者切手
ヴェサリウスの肖像と
右上腕部の解剖図

1989年 ハンガリー発行


アンブロワーズ・パレ(1510〜1590)

フランスの王室公式外科医で、近代外科の発展において重要な功績を残しています。

彼の整骨術に関する著書はオランダ語訳を経て華岡青洲の手に渡り日本の外科医療に多大な影響を与えています。

彼は、身分の低い床屋医者で、直接創傷に触れ治療をする外科医でああり、1537年軍医として従軍したフランス軍のトリノ遠征で兵士の治療にあたり、 当時の銃創の治療には煮えたぎった油を傷口に注ぐという治療法(焼灼止血法)が一般的であったことに心を痛め、なんとか痛みの少ない治療法の模索を続けていました。

ある日治療に使う油を使い切ってしまい、彼は急遽は間に合わせの軟膏を用い治療をb試みました。

従来と全く異なる治療を行なった彼は、一晩中神に祈っていたとも、不安で眠れなかったとも伝えられています。

しかし、時間経過とともに煮えたぎった油よりもこの軟膏による治療の方が苦痛が少なく予後も良いことがわかり、次第に軟膏を使用する治療に切り替えました。

彼の業績はこれにとどまらず、血管を直接糸で縛って止血する血管結紮法をあみだすなど外科治療を変革し「近代外科学の祖」と讃えられています。

彼の有名な言葉に「我包帯す、神、癒し賜う」という言葉が残っています。

アンブロワーズ・パレを描いた切手

16世紀の偉人顕彰切手
パレの肖像
1943年 フランス発行
医学の先駆者切手
パレの肖像
1989年 ハンガリー発行






ウイリアム・ハーヴェー(1578〜1657)

彼は、血管を流れる大量の血液が肝臓では造られていないと考え「血液の系統は一つで、血液は循環している」との仮説を立てた。
そしてこの仮説が正しければ、血管のある部分では血液は専ら一方向に流れるはずと考え、腕を固く縛る実験でそれを確認した。

1628年、彼は『動物における血液と心臓の運動について』を著し血液循環説を発表した。

しかし発表当時これは激しい論争の的となり、中々認められませんでした。

その後彼の血液循環説は多くの人々によって追試の実験・検証がな、その正しさは次第に受け入れられていく事になります。

彼の血液循環説は、実験と計算を基にしたほぼ完全に近いものでしたが、動脈と静脈をつなぐ毛細血管の証明にまで至りませんでした。

彼の血液循環説が後に心臓や血圧の正しい理解へ発展していくことになります。

ウイリアム・ハーヴェーを描いた切手

ハーヴェー死去300年記念切手
ハーヴェーの肖像
1957年 ソ連発行
無額面切手
ハーヴェーの肖像
2010年 イギリス発行
ハーヴェー死去300年記念切手
ハーヴェーの肖像
1978年 ソ連発行


ウイリアム・ハーヴェーを描いた切手

医学者切手
ハーヴェーの肖像と
心臓の解剖図と血管の解剖図

1987年 ハンガリー発行
医学者切手
ハーヴェーの肖像と
手の血管図

1982年 トランスカイ発行
WHO創立25年年記念切手
ハーヴェーの肖像
1973年 グレナダ発行
偉大な科学者20種シート
ハーヴェーの肖像と心臓の解剖図

2012年 マーシャル諸島発行


マルチェロ・マルピーギ(1628〜1694)

イタリアの医師で、1661年に顕微鏡を使用して動脈と静脈をつなぐ毛細血管を発見し、これによってハーベーの血液循環説は完成することになります。

このことからマルピーギは、顕微鏡解剖学の創設者、最初の組織学者と称されています。

また、マルピーギは皮膚の層(マルピーギ層)、二つの異なった構造(腎臓と脾臓)に与えられたマルピーギ小体の名、昆虫の排出器官であるマルピーギ管の発見もしています。

マルチェロ・マルピーギを描いた切手

医学者切手
マルピーギの肖像
1978年 イタリア発行
医学者切手
マルピーギの肖像と
顕微鏡による観察

1985年 トランスカイ発行





written by 血液の鉄人



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