高峰 譲吉(1854〜1922)
高峰 譲吉(1854〜1922)は、日本の科学者、実業家、工学博士・薬学博士で、タカジアスターゼやアドレナリンを世界で初めて 抽出・結晶化した人です。
1894年、デンプンを分解する酵素であるアミラーゼの一種であるジアスターゼを植物から抽出し"タカジアスターゼ"を発明し、 このタカジアスターゼは消化薬として非常に有名となります。
彼が最初に居住したシカゴで、廃棄される家畜の内臓物を用いてアドレナリンの抽出研究をはじめ、1900年に結晶抽出に成功し、 世界ではじめてホルモンを抽出することとなり、アドレナリンは止血剤としてあらゆる手術に用いられ、医学の発展に大きく 貢献しています。
高峰譲吉は、タカヂアスターゼとアドレナリンの発明・発見によって米国での地位を揺るぎないものとし、「タカジアスターゼ」 を中心とした醸造発酵技術の発展に貢献したことにより、米国では"バイオテクノロジーの父"と呼ばれています。
彼は三共株式会社の初代社長であり、東京人造肥料(現・日産化学工業株式会社)の設立、ベークライト工業の導入 (現・住友ベークライト株式会社)そして、世界に後れを取らない日本人研究者育成のための理化学研究所 (現・独立行政法人理化学研究所)の創設を強く提唱し実現させています。
「タカジアスターゼ」、「アドレナリン」の特許を世界各国でいち早く取得し、その特許収入で巨万の富をなすことに成功し、 米国でベンチャー企業を起こして酵素事業・研究開発を推進しました。
彼が亡くなった時、ニューヨークヘラルドでも「日本は偉大な国民の一人を喪ったとともに、 米国は得難き友人を、世界は最高の化学者を喪った」と報じている。
余談ですが、ワシントンD.C. のポトマック河畔にある桜並木の植樹を企画し資金を提供したのは高峰譲吉で、 さらにニューヨーク市へも桜を寄贈しています。
高峰 譲吉を描いた切手
科学技術とアニメ・ヒーロー・ヒロインシリーズ 第3集 〜科学技術&アニメーション〜 高峰 譲吉の肖像と アドレナリンの構造式と分子模型 2004年 日本発行 |
written by 血液の鉄人
高峰 譲吉│医学の発展に貢献した日本人目次|医学切手の部屋