5.イムノクロマト法について
HIV検査に利用されているイムノクロマト法について解説いたします
【HIV抗体検査のイムノクロマト法とは】
イムノクロマト法により血漿、血清、全血を使用してこれらの中に存在する抗HIV‐1抗体及び抗HIV-2抗体を検出するキットです。
日本において厚生労働省から認可を受けているキットは、アリーアメディカルから販売されている『ダイナスクリーン』一つしか存在しません。
測定原理
検体(血液・血漿・血清)中の抗HIV抗体は、シート下部のセレニウムコロイド標識HIV抗原と反応し、抗HIV抗体−セレニウムコロイド標識HIV抗原の 結合物を形成し、この結合物はシート上を移動して、シート上部に固相化されたHIV抗原と結合し、固相化HIV抗原−抗HIV抗体−セレニウムコロイド 標識HIV抗原のサンドイッチ型の結合物を形成します。
その結果結シート上の判定窓に出現するセレニウムコロイド由来の赤色のラインの有 無を目視で判定します。
この場合、必ずコントロールラインに赤色のラインが出現している必要があります。
コントロールラインに赤色のラインが認められない場合は、検査が正しく実施されていないことから、再度検査を実施する必要があります。
判定方法
シートの各ストリップ上には、上下に分かれて 2 つの判定窓があり、この 2 つの窓を観察し、赤色のラインの有無を確認する。
結果を判定する前に、測定操作が正しく行われたことを確認するために、ストリップ上部のコントロール窓の中に赤色のライン (コントロールライン)が現れていることを必ず確認する。
コントロールラインが認められる場合は検査結果は有効であるが、認められない場合は検査結果は無効とし再検査を行う。
※判定ラインに赤色のラインが認められた場合は、赤色の強弱にかかわらず陽性と判定する※
※判定ラインの赤色の強さは、HIV抗体の力価を定量的に反映しません※
※定められた判定時間15分を経過後、判定ラインに薄くラインが出現しても陽性とは判定しない※
判定基準
1.陽 性:ストリップ上部の判定窓の中に赤色のコントロールラインが認められ、ストリップ下部の判定窓の中に赤色のライン(判定ライン)が認められた場合。
2.陰 性:ストリップ上部の判定窓の中に赤色のコントロールラインが認められ、ストリップ下部の判定窓の中に赤色のライン(判定ライン)が認められない場合。
3.再検査:ストリップ上部の判定窓の中に赤色のコントロールラインが認められない場合。
イムノクロマト法の欠点!!
判定ラインの色調を肉眼で判定することから、どうしても判定者の主観に左右されてしまいます、その結果神経質的に判定すればどうしても薄 くラインが有ると判定し偽陽性反応が出現しやすい検査法です。
逆に大雑把な人が判定すれば、薄い判定ラインを見逃すこともあります。
しかし、判定を厳格に見すぎての偽陽性反応が圧倒的に多いのが現実です。
5.イムノクロマト法について
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